老犬の様子がおかしいのは認知症かもしれない

犬にも認知症があるのをご存知でしたか?

老犬の認知症(Canine Cognitive Dysfunction、CCD)は、犬の老化に伴って起こる神経変性疾患です。
人間のアルツハイマー病に似ており、認知機能の低下や行動の変化が特徴として現れます。
犬の認知症は高齢性認知機能不全とも呼ばれ、犬が年を取るにつれて認知機能が徐々に低下し、その結果、特有の行動障害が現れる病態を指します。

犬の認知症の原因は完全には解明されていませんが、加齢による脳の血流の低下や神経伝達物質の減少などが関係していると考えられています。
また、犬種による遺伝的な関与も考えられており、日本では認知症と診断される犬のうち、83%が日本犬(柴犬など)であったという報告もあります。

犬の認知症の症状は個体によって異なりますが、以下のような症状が一般的にみられます:
・見当識障害:周囲の環境や自分の居場所がわからなくなる。
・行動の変化:おねだりが増える、夜鳴きをする、夜間徘徊するなどの異常行動が現れる。
・泄の異常:トイレ失敗が増える、トイレの場所を覚えなくなるなど。
・食欲の変化:食欲が増加する、食欲が低下するなど。
・活動性の変化:元気がなくなる、活発になるなど。

現在、犬の認知症の治癒法は存在しませんが、症状を緩和する治療法がいくつかあります。具体的には以下のような治療法が有効とされています:
・薬物療法:認知症の症状を緩和する薬を獣医師の指導のもとで服用させる。
・行動療法:犬の認知症に適したトレーニングを行い、症状を和らげる。
・環境調整:犬が安心して過ごせるような環境を整えることで、ストレスを軽減する。
・栄養療法:特定の成分(DHAやEPA、ビタミンEなど)が含まれたサプリメントを使用し、脳の老化を穏やかにする可能性がある。

犬の認知症は、犬にとっても飼い主にとっても辛い病気ですが、適切な治療とサポートを受けることで、犬の生活の質を向上させることができます。
特に高齢の愛犬が失敗しづらく生活しやすい環境を整えることや、適度な刺激を与えて体と心を活性化することが重要です。

ただし、認知症に対する予防方法は現時点では確立されていません。適度な刺激を与えることや栄養療法を行うことで、脳の老化を緩やかにし、認知症の予防につながる可能性があるとされていますが、完全な予防は難しいとされています。

愛犬の健康を維持するためには、定期的な健康診断や獣医師との相談が重要であり、早期発見と適切なケアが大切です。
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